業態転換によるエネルギ使用量の変化

支援対象者は昨年診断後業態転換をされて、元の店舗スペースを賃貸することになりました。 その時にテナントに電気料金を請求するに当たり根拠のある算定方式としたいとのことで相談されました。業態転換の為再度診断を行なう必要があり、お助け隊採択前の相談で、出来るだけ早くとのご希望であったので診断は中小企業等に向けた省エネルギー診断拡充事業(クイック診断)で行い、計測により、使用電気量を正確に求めるお助け隊支援に繋ぐこととしました。 クイック診断では業態転換後の冬期使用状況を見る限り、使用最大電力は昨年9月店舗営業時の91kW からテナントが操業を開始していた5月の25kWへと大幅に減っていることが分かりました。しかし、冷房をフルに使う夏場の状況も考慮する必要があるため、夏場に合わせ使用量の計測をお助け隊支援にて行いました。
電気使用量計測

測定は照明1回路、空調5回路に電流計を設置することで行いました。 照明回路には就業時間に合致する形できれいに一定電流が流れていることが確認できました。 この結果から稼働日数勘案しての照明電力量は194.1kWh /回路・月と結論づけました。照明回路は全部で8回路あり、全て同じ機器構成ですので照明全体では1,553kWh の電力消費量となります。空調は5台でばらつきがありますが5回路の合計から空調電力を求めました。その結果空調機5台の8月の電力使用量は7,243kWhとなります。 8月全体では16,764kWhの電力使用量でしたので、テナントが使用する照明、空調の電力量を全体から引いた分がオーナー使用分となります。結果、オーナーが47%、テナントが53%の電力を使用していることになります。また電気料金請求書を見るとピーク電力は7月の56kWであることも分かります。
計測結果をベースにした電気料金按分
テナントの照明で使う電力量は各月一定、空調で使う電力量は空調機の稼働により異なるので各月の電気使用量の減った分は空調機の稼働減によるものと考え毎月の按分比率を算出して電力料金を按分することを提案しました。 最終的にはテナントが使用している回路に電力計を付けテナントが読み取れるようにすることも提案しました。 ピーク電力が50kW程度になりましたので高圧受電を止めて、低圧受電にすることも相談されましたが、暖房空調負荷が冷房負荷より大きいので今の状況を考えると無理と予想されることもお話ししました。今後もう少し冬期暖房時計測支援を続行し、より合理的な料金按分の仕方を検討することとなりました。