
本事業所は1947年(昭和22年)に造船業として創業し、現在に至っています。 建物は主に事務所棟、工場棟、倉庫棟の3棟です。 工場内には、加工機械、荷役運搬設備、溶接設備、常温アーク溶射設備、エアコンプレッサー等、多数の機械設備が配置されています。 本事業所では溶接作業が多くを占めています。そのため、現在使用している発電機の溶接と、電力会社からの電力供給による溶接とでは、どちらが省エネになるか教えて欲しいという要望がありました。省エネ診断の結果、現状の使い方が省エネになることが判明しました。

空調システムは、パッケージエアコン+ルームエアコンの個別空調方式です。 空調機は順次高効率型へ更新しています。 照明設備のLED化は概ね済んでいます。 給湯設備は設置していませんでした。 また、エネルギー管理体制も構築していません。 本事業所で使用しているエネルギーは電力(81%)、軽油(17%)、アセチレン(2%)です。これより電力使用量の削減が省エネのターゲットになります。軽油の使用量が多いのは、溶接用の発電機と構内のフォークリフト車や重機に使用しているためです。 本事業所では、特に溶接作業とエアコンプレッサーの電力使用量が多いです。そのためエネルギー管理体制、コンプレッサーのエネルギー使用状況の管理が重要です。 産業分野では、利便性の高い動力源として圧縮空気が幅広く使用されています。一般的な製造工場では、電力消費の20~25%がコンプレッサーの消費電力と言われており、コンプレッサーのエネルギー使用状況の管理が重要です。 また、会社全体の電力消費量を監視、低減するためのデマンド監視装置の導入も重要です。

今回は、事務所棟、工場棟に関する省エネ提案を下記の通り行いました。 ①空調設定温度の緩和 ②空調機のフィルター清掃(室外機フィンの洗浄含む) ③エアコンプレッサーの吐出圧の低減 ④燃料使用量の見直し ⑤デマンド監視装置の導入 ※ 本事業所様のエネルギー使用量は、57.6㎘/年です。 省エネ診断による予想エネルギー削減は、2.35㎘/年、 予想削減金額は、131,000円/年です。