診断に至る背景

本支援対象者は地域プラットフォーム構築事業の省エネ支援が始まって以来、支援を行ってきた事業者です。3年前の新工場建設の際は省エネの観点から支援を行い、竣工時には想定通りのエネルギー使用量になっており、経営者も満足されていました。 今回は電気料金高騰により、自己使用の太陽光発電システム導入の支援を希望されました。 そこで先ず電力の使用状況を把握し、資金計画と照らし合わせた太陽光発電の設備容量を提案する診断を行なうこととなりました。 (写真はイメージ図です)
通年のエネルギー使用量の実態を診断により把握

1年間の電力使用データを調べた結果、最大消費電力が102kW、月の最大電力使用量が25,000kWh、最低電力使用量が15,000kWhであることが分かりました。使用設備の定格電力消費量をみると、電気オーブンが最も大きく、次に大きいのが冷凍冷蔵設備の46,000kWh/月でした。冷凍冷蔵設備は年中無休ですので、30~60kWh/時程度の電力を常時使用していることになります。 太陽光発電を載せる屋根の面積や、無駄なく発電量全てを使えること、設備予算を考えて、40kWの設備導入をする想定で見積りを行いました。この結果、設備費が1,200万円発生するものの、年間電気料金の低減額が110万円程度(24円/kWhを想定)となることが分かりました。 また、設備毎の電力消費量を見積もった際、支援対象者が一括で機器管理を行っていないことが明らかになったため、今後は機器リストを作り社内で一括管理をするように提言しました。
補助金や税優遇制度を使うことでさらに良い結果に
神奈川県の補助金制度により令和4年度では発電量当たり6万円/kWが補助されますので、40kWの発電設備だと240万円の補助金が出ること、また、中小企業経営強化税制(中小企業庁)の税優遇制度を使えば法人税率に応じ設置費用を一括償却でき、投資の回収にかかる年数が通常の半分近くの6年程度になることも分かりました。 電気料金がさらに上がれば、より投資効果も出てきます。 これらの提案を受けて本支援対象者は投資を行うことを決断し、継続しての支援を希望されました。引き続き設備導入計画策定、補助金申請の準備を支援として行うこととし、この機会に機器管理を自社にて行う支援も行うこととなりました。